SUNKING ON THE BLOCK -Sunset : Thanks for 5years-
2015年2月6日(金)。
『TBSラジオpresents SUNKING ON THE BLOCK -Sunset : Thanks for 5years-』に行ってきました。
場所は赤坂BLITZ。
この「SUNKING ON THE BLOCK」は、三軒茶屋のバー「SUNKING」主宰のイベントシリーズ。
NONA REEVESオフィシャルサイトの阿楠くん(店主)の文章にあるように、
2009年12月の開店からちょうど5年目、今年の12月6日にサンキングは閉店することになりました。今回のSKOTBは5周年、及び閉店という二つの節目と、これまでサンキングに関わってくださった方々への心からの感謝の意味を持った特別なライブになります。
ということで、とてもスペシャルな夜になりました。
出演は、NONA REEVESと、サンキングにもよく遊びにきていたという、DEPAPEPEの2組。
私は、生デパペペは初。
むかーし昔、トップランナー(だったと思う……)で名前の由来が「出っ歯……からデッパペペ……デパペペに」と言ってたのだけ、なぜか強烈に覚えていましたが、アコギのデュオでインストで、、、っていうふんわりとした情報しか持ってない状態でした。
どんな化学反応が起きるのか全く想像ができず、楽しみ90パーセント、不安10パーセントという感じで会場へ。
ブリッツだけど、この日は椅子が用意されていて、ギリギリ到着になりがちな平日の社会人には嬉しい仕様。
客層も、ノーナ単独よりも若干大人だった気がします。
この時は「なるほど、ゆっくり椅子に座って聴く感じかー?」なんて思ってたんですけどね。。。
開演
19時開演。
恒例、主宰の阿楠くんの挨拶からスタート。
阿楠くんが実家のお寺を継いでお坊さんになるために、閉店することになったサンキング。
「坊主になる前から話が長い」と自ら言ってました。
しかし、しゃべり方も声も、兄さんそっくりよね。。。
ノーナとデパペペは、もともとはマネージャー(タカシくん)が同じだったところから付き合いが始まったそうです。
お店には、徳岡くんはよく遊びに来てくれて(三浦くんはあまり来なかった、と)。
お店の2周年の時には、三軒茶屋の小さいところでライブをしてもらうほどの繋がり。
そんなデパペペに今回のイベントの相談をしたところ、「ノーナと一緒にやることに関しては、NOはないよ!」と、ノーナの大ファンだという徳岡くんに快諾してもらったそうです。
カッコいいわー!!好感度上がるわー(笑)。
来週からはお坊さんになるための講習を受けに、テレビも電話もパソコンも漫画もラジオもないようなところへ行くことになっているという阿楠くん。
「寂しくなったら、今日のライブを思い出して楽しい気持ちになろうと思うので、皆さんも楽しんでいってください」と締め、いよいよライブスタート。
DEPAPEPE
まずはDEPAPEPEから。
とはいえ、ドラム:小松、ベース:シゲ、鍵盤:YT、そしてギター:オッケン、というノーナバンドとの共演!
DEPAPEPEライブで、2人以外にギターがいるバンドは初めて!だそうです。
なんとレアな!!
生DEPAPEPEはかなり衝撃的でした!
歌がないのに、めちゃめちゃ歌が聴こえるんですよ!!
歌がなくても、頭のなかで自分が感じたままの歌が鳴り響いてるんです。
そして言葉がないからこそ、歌を勝手に自分の言葉に翻訳して、情景がまざまざと浮かんでくるような。
「楽器が歌う」って、こういうことなのか!と、鳥肌たちました。
そして、ノーナバンドでやると、ノーナの音にしか聴こえないんですよ。
歌がなくても、雄弁すぎるギターが、ボーカルがいるバンドと何も変わらないような気がして。
しかも、あの郷太くんと同じくらいの歌力を持って迫ってくるから、こりゃもう好きにならずにはいられない!
ほっこりゆったり……なんていうアコギに対する私の浅はかなイメージはどこへやら(もちろんそんな曲もあったけれど)。
激しく強く迫ってくる曲に、どっかりと椅子に腰かけているのがツライくらいでした。
小松さんのドラムも、オッケンさんのギターも、なんならいつもよりドカドカうるさいロックンロール!!
オッケンさん、何度のけぞったことか!
前に出てきてソロを引き倒してたし!!
ワウを踏みまくってたし!!(←ちょっと違う?でも踏みまくってて「オッケン節さく裂だな!」とニヤついてました。。)
やーもう、最高でした!
ノーナ大好き徳岡くんセレクトで、ノーナのNEW SOULのカバーも。
「全部好きなんだけど、アコギで弾いたら良いかなーと思って」というセレクト。
アルバムバージョンのイントロのフレーズの完コピ感!
全体的にはボサノバっぽい、ゆるく心地よいアレンジだったかなー。
のちに郷太くんに「俺が死んだ時の、追悼曲みたいだった!」と、怒られてました(笑)。
そんな(?)この曲、三浦くんが「これ、ください」と(郷太くんと共作してる)オッケンさんに直談判。
「じゃ、あとで相談で」ということで……普通にデパペペライブでもやるようになったら、おもしろいよね。
演奏も凄かったけれど、MCも良い感じで。
しっかり者の兄(徳岡)と、天然の弟(三浦)、っていう組み合わせは最強ではなかろうか。
阿楠くんの話にあった「三浦あんまり店来なかった説」に、結構行ってたことを猛烈にアピールする三浦くん。。
お客さんから「必死!」というツッコミが入ってました。。
なんかもう三浦くん、かわいくてね。
オッケンさんと共演できるのが嬉しかったみたいで、オッケンさんに背中を合わせに行って演奏したりして。
オッケンさん、めっちゃ照れてましたけどね(笑)。
この日で一気にDEPAPEPE、好きになっちゃいました!
凄いテクニックがあるのはもう明らかなんだろうけど、それ以上の何かがほとばしっていて。
きっと、愛があるんだろうなぁ。
だからこんなに、歌が聴こえるんだろうなぁ、なんて思いました。
あと、徳岡くんの、ギター弾きの腕から指先の感じ、カッコよすぎてヤバかった!!!(笑)
あとひとつ言っておきたいのは、登場した時に一番目を奪われたのは、オッケンさんのツヤッツヤのキューティクルでした、ということです。
NONA REEVES
この日のノーナは、ノーナ3+冨田謙(Key)、村田シゲ(B) 、真城めぐみ(Vo)の、ノーナ6。
セットリスト
- P-O-P-T-R-A-I-N
- 夢の恋人
- 土曜の夜はHappy Sounds
- GOLDEN CITY
- Weee Like It!!!
- パーティは何処に?
- Do_It_Again
- August
メンバー登場後すぐ、目を奪われてしまった真城さんのかわいさ!
短いぱっつん前髪&内巻きボブに、グリーン地に白ドットのワンピ&イエローのカーディガン。
春が来てた!花が見えた!何なら今日イチ、ときめいた!(笑)
最近モノトーンばっかり着てる自分を反省。。
椅子アリ会場のお約束、「立つの?立たないの?どっちなの?」っていう戸惑いがありつつも、やっぱりノーナじゃ立っちゃうよね~。
昨年のヒッピー以来のノーナ、1曲目からキラッキラの世界に心がときめく。
土曜の夜はHappy Sounds前に、「何やりたい?」と郷太くんに唐突に振られたオッケンさん。
「今日は土曜だから……」と曲に絡めて話し始めたけど、違うよ!まだ金曜だよ!!
最終的には「土曜だと思えば、土曜なんだ!」というよく分からないフォローが入ってたけど、、、オッケンさん、素ですか!?(笑)
赤坂の、大人な夜にGOLDEN CITY。
郷太くんと真城さんとのデュエット、聴くたびにもうホント、うっとり。
甘くて切なくて、けど凛としてて……たまらんです。
ブリッツ、音の響きも良いんですよねぇ。
「耳のご馳走」(by 西寺父)、まさにその通り!!
白い光線が飛び交う照明がまたステキで。
他の曲でも照明が凄くキレイだったけど、この日一番印象に残る景色はこの曲です。
郷太くんも言ってたけど、Do_It_Againはホントに久しぶり!!
改めて聴くと、何度でもやり直そうっていう歌詞が自分の中にストンと落ちてきて、「あぁ、ノーナの曲っていいなぁ」としみじみ思ってしまいました。
最近、ノーナの歌詞が心に沁みます。。
ノーナ最後はAugust。
デパペペの2人と買いに行ったアコギを持つ郷太くん。
それでこの選曲なのか!
アコギ屋さんでのデパペペは「浅田真央ちゃんがスケート靴買いに行くみたいなもん」というくらいのリスペクトされっぷりらしいです。
さすが人選に間違いのない男、郷太。
良い買い物ができて良かったね。
アコギの弾き語りから始まり、小松さんの甘いボーカルに郷太くんと真城さんの声が重なり、演奏が重なっていくこの曲。
夜が明けるような、明るい光が差し込むような、そんなイメージです。
年々好きになる。
NONA REEVES × DEPAPEPE
まずは、デパペペの2人と、郷太くん、真城さんが登場。
どうやら郷太くん、「あいつらがいないところでやりたかった」らしいです。。
嫉妬か!(笑)
ノーナバンドが他の人のバックを務めることは多いし、「こんな売れっ子、俺が見つけたんだ」という気持ちがあるから嬉しい、とはいえ、自分も出たかったのね、郷太くん。。
「ボウイだったら、何回解散してることか!」の例え、なかなかウケてて良かったよね。(ノーナファンは何度も聞いているからさぁ。。)
曲は、西寺郷太ソロアルバムから、 SILK ROAD WOMAN。
(ちなみに、この曲を一緒に作ったティト・ジャクソンも、会場に来ていたそうです。)
郷太くんが担当していたTBSラジオ「たまごレディオ」の、交通情報&天気予報の曲なので、曲を天気予報に使われがちなデパペペとやりたかったそうです。
デパペペの曲は歌がないのでいろんなところで使われているけれど、「なぜそこで切る!?」「え?3秒!?」なんてこともあるとか。。
この曲はもうデパペペのためのような曲だから、そりゃーもうドハマりしてました!
ホント、カッコいいよ、デパペペ。
そこに薄めに郷太くんと真城さんの歌声が乗ると、また雰囲気が変わって、ちょっと優しさが加わるというか。。
ステキでした。
メンバー全員登場。
この日のために郷太&徳岡で作ったというSaturday Night Sunsetを。
郷太くんの曲の作り方を目撃した徳岡くん、「すごく変わってた!」と衝撃を受けたそうです。
郷太くんは打ち込みをする時、モールス信号のように同じ音でリズムを打ち込んでから、コンピュータ上で音符を上げ下げして、自分の頭の中で鳴っているメロディに合わせていくらしいです。
「こんなやり方してる人、他にいないけど、めっちゃ早かったやろ?」と、ちょっと得意げな郷太くん。
頭の中のメロディを表現するのって、いろんな方法があるんだな!!
楽器弾かなくても、めっちゃメロディメイカーですからねぇ。なんかすごいな!!
曲はボサノバ調?の優しいメロディ。
ノーナとデパペペ、どちらにも共通する雰囲気の、まさに合作って感じでした。
続いては、西寺郷太プロデュースのDEPAPEPE曲、Special Lady。
レコーディングには、小松さんも冨田さんも参加しているので、ある意味「本物」!
しかもレコーディング以来、一緒に演奏するのは初だそうです。
「この曲ではあんまりやることないから、指揮やってる。ニシヤン(ex.カラヤン)。」という郷太くんに、「西やん、じゃないですから!」と丁寧に突っ込む後輩:デパペペの優しさよ(笑)。
この曲ももう、もはや、ノーナの曲にしか聴こえませんでした(褒め言葉)。
カッコいい!!!
最後はノーナの、重ねた唇。
またまた、耳のご馳走!!
ブラスの印象的なフレーズを、アコギで弾いてる!!!
あんなゴージャスなアレンジを、何の遜色もないどころかアコギならではの味わいを付け加えて弾きこなしてしまうデパペペ。
けど、その圧倒的なテクニックよりも、心を動かす歌が聴こえることに心が震えました。
色とりどりの暖かい照明が、ゴージャスでいて穏やかで、この2組だからこその「重ねた唇」の演出にハマりすぎでした。
この曲に生楽器が加わることでの化学反応。
在日ファンクのホーン隊とのセッションも鳥肌モノだったけど、いろんな楽器とのコラボが聴いてみたいです!(と、後日、ツイッターで盛り上がってた私たち。)
でも。
素晴らし過ぎる曲の前には、グダグダMCがあるのは、ノーナの通常運転(笑)。
「弟(阿楠くん)は、寺のビジネス展開しか考えてない。そのうちキンクさんデザインのオシャレな数珠とか売り出すと思うわ。」と、愛ある(?)弟Disを始める郷太くん。
でもその数珠、あったら欲しい気がする……宗派別にデザイン違うらしいし(笑)。
数珠からの連想で、次の曲は「数珠(JUJU)」に合う、とか言いだして、誰にも理解されず、けどひとり突っ走る郷太せんせい……。
そんなパイセンの様子を見て「デパペペのリハでは、ノーナバンドもみんな和気あいあいだったのに、郷太さんが来た途端に、バンドメンバー誰もしゃべらなくなった!あの優しい冨田さんでさえも!!」と徳岡くん暴露!
小松さんによると「俺らもしゃべっちゃうと、この人(郷太くん)その3倍はしゃべるから。5時間リハの時間押さえてても、実質1時間になることもあるからさ。。」とのこと。
なるほど、長年の知恵ですね(笑)。
徳岡くんのおかげで、今まで聴けなかったおもしろい話がいっぱい聴けました!!
最後は全員、手を繋いでご挨拶。
郷太くん、「いい感じの数え方で20周年にして、イベントやるよ」なんて言ってたので、またステキなライブを期待しつつ、何よりも!
SUNKING、阿楠くん、ステキなイベントをありがとうございました!!