A New Musical『JAM TOWN』
2016年1月30日(土)。
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース A New Musical『JAM TOWN』に行ってきました。
場所は、横浜中華街のすぐ近く、KAAT神奈川芸術劇場。
なぜ観に行くことにしたかといえば……
全編の作詞・作曲・編曲がNONA REEVES西寺郷太。
バンマス冨田謙、ドラム西寺、ギター奥田健介(KASHIFくんとダブルキャスト)というノーナ3人がハウスバンドとしてステージに登場する、っていうんだから、それは見逃せないですよねー。
子どもの頃に、学校の体育館で人形劇ミュージカルを観たことがあるような気がするけれど、大人になってから、記憶にある限りでは、人生初ミュージカル!
けど、ミュージカル映画なんかと比較しても、いわゆる「ミュージカル」とはちょっと違うのかなー?と思いました。
そこが“A New Musical”という所以なんでしょうかね。
あらすじ以上の展開は特になく、話はあくまでもタイムラインの軸。
その軸に沿って、歌とダンスのショウが繰り広げられていく感じでした。
ドラマに没入しようとしても、途中で、郷太くんが普通のテンションで、設定とか関係なく喋り出しちゃったりして、慣れるまではどういうテンションで観るべきか迷いました。。
設定のある音楽ライブとダンスショウだと思うと分かりやすいかもしれないです。
なので、お芝居を見慣れている人よりも、音楽ライブに慣れている人の方が、楽しむポイントが分かりやすかったのかなー、と思いました。
圧倒されっぱなしのステージ
それにしても、演者の皆さんの、歌がめちゃウマ!!
踊りもめちゃウマ!!
俳優チームなのに、何でこんなんにうまいの!?
度肝を抜かれましたよ。。
JJ役水田航生くん、劇中に「イケメンで、歌えて、踊れて、金持ちで、世の中不公平」みたいなセリフもあったけど、まさにそれ!
ヘッドスピンまで出来ちゃうキレキレのダンス、一体どうなっているんだ!?
松浦雅ちゃんのパワフルな歌声は、いつまでも頭の中で鳴り響いています。
演技ではこのカップル、めちゃかわいいのに、歌ったり踊ったりし始めた途端に、ものすごいオーラ!
あと、敵役のMASAHARUくん、ラップとヒップホップダンスの上手さにも度肝を抜かれた。
パーカッションも彼がやってたのかな!?
末恐ろしい才能が集結してたステージでした。
単純に、ステージを観ているのが、めちゃめちゃ楽しかったです。
ダンサーチームも、そりゃあもうキレッキレで!
YOSHIEさんたちが出てくると、圧倒されちゃいました。
そんな圧倒的なパフォーマンスの中、藤井隆がとってもキュートで癒された!
一瞬だけ登場した学生服姿とか。
エリアンナちゃんとの「FIRE」合戦とか。
もはやもう、新喜劇にしか見えないです(笑)。
「探偵」ぽさを演出するため?のトレンチコートの下は、ノーナTシャツだったのも見逃しませんよー。
トレンチコート、探偵というより、変態風に見えてしまったのは内緒です(笑)。
キャラクターにぴったりの曲たち
それぞれのキャラクターのテーマソングがぴったりで」。
おいでよ!ボート・バー “HEAVEN”での自己紹介「長谷川耕作です!」は脳内占有率ナンバーワン!ずっと歌っちゃうわー。
主演の筧利夫さんが花道から登場するときの、まるでサブちゃんが漁船に乗って登場するかのような演歌感、マスター、登場!もタマラン。
雅ちゃんが歌うエキセントリック・ガールのパワフルさ。
水田くんのマイケルのSmooth Criminalばりのダンスチューン、メトラセテ。
MASAHARUくんのギャングスターなラップ曲、ROLLERBLADE 24/7。
エリアンナちゃんの圧倒的なボーカルが光るFIRE!。
東風さんの、ふんわりとした透明感が光る、祈りの歌。
これを全部作ったのが郷太くん!!
愛が感じられる、良い仕事してますねー。
マスターの唯一のヒット曲、夢の Dream Boatでは、郷太くんソロも。美声!!
ステージ上でしっかりサントラ盤の宣伝もしてるのは、流石と言わざるを得ない。。
小ネタ満載
全編を通して、至るところに小ネタがちりばめられていて、思わず笑っちゃうこともしばしば。
役名:JJからの、雑誌名のバリエーションとか。
地下鉄駅の並びが、和光市(埼玉)の次は成増(東京)とか。
後楽園でローラースケートの練習とか。
CKBの剣さん、柳ジョージと、横浜出身のミュージシャンの名前が出てくるとか。
地名は特に、関東圏の人間じゃないとピンとこないんじゃないかなーと心配になっちゃいました。。
横浜が舞台というだけではなく、横浜でしか上演できないという理由は、こういうところにもあるのかな。
あと、ある一定以上の年齢層にしかピンとこないんじゃないかな、っていうのもあった(笑)。
そういう小ネタがテンポの早いセリフで畳み掛けられるので、脳の情報処理が追い付かない。
テンポ感は抜群ですが、面白いだろうことが拾えなくて、ちょっともったいない気持ちにもなりました。。
小ネタといえば!コンビニのシーンでの、店内放送のラジオ番組。
耳を澄ますと、「スモールボーイズのこぅくん田正輝です。」ってこぅくんが喋ってる!
ちゃっかり曲も流れてて(Perfect Queenだっけ?)、スモボ3人もちゃんと共演していることに嬉しくなっちゃいました。
めちゃニヤニヤした!!
舞台演出のおもしろさ
あんまり演劇を観たことがない、っていうのもあるけど、舞台演出が斬新でおもしろかったです。
舞台が360度ぐりりと回れるようになっていて、車に見立てたローラーブレードで出演者がぐるぐる走り回ったり。(この時、藤井ちゃんは背筋をピンと伸ばして、姿勢よく自転車を漕いでました!ツボった!)
波の効果は、照明で作っていたんだと思うけど、じっと観てると、だんだん海に浮かぶ船の上にいるんだという実感が湧いてきたり。
セットは若干変わるけど、1つの舞台がいろいろな場所に見えてくる不思議。
それから、何度か大きな船が横を通ると、船が揺れる、という場面があって。
その度に郷太くんソロのTEMPLE / SHAKEからの一節(TEMPLE / GRINDというタイトルになってますね)が流れ、ステージ上のみんなが一緒に揺れる、という演出が。
音楽担当も一緒に揺れてて、揺れる方向間違っちゃってたり、乗れてなかったり……普段は観れない演技が観れて、ニヤニヤしちゃいました。
やはり目が行く音楽担当
セットの隅とはいえ、ずっとステージの上にいる音楽担当3人。
そんな3人の、ノーナのライブでもあまり観られない姿が観れて、嬉しかったです。
アコギを弾くおっけんさんは、バンドライブでは滅多に観られないので貴重です。
音楽的には、YT劇場!!
曲だけではなく、セリフの裏で鳴っている鍵盤も担当されてたりして、音という音はYT色に染まっていた気がします。
メンバー紹介の時に踊ってたね、YTさん!
藤井隆ソロアルバムからも1曲、SAVE ONESELFを藤井ちゃんが熱唱。
ライブでは基本DJ(カラオケ)に合わせて歌ってるので、生ドラム、鍵盤、ギターで歌ってるのを観るのは初めてかも!
おっけんさんがギターっていうのもレアですよね!
とはいえ、音楽はあくまで演者を引き立てる存在に徹していた印象。
ライブだったら大音量でガッツリ盛り上がるところでも、逆に音量を落としてセリフを引き立たせたり。
郷太くんのドラムもレアだったけど、ソロで歌ったり、セリフがあったり、YOSHIEさんと踊ったり!!と大活躍。
ダンスかわいかったなー。
自己紹介コーナーがあったんですが、「音楽担当の西寺郷太です。西寺の西は西城秀樹の西、郷ひろみの……あ、最後まで間違えました。。」っていうのは、間違えるところまでがニッキ台本だったらしい。
細かい!!細かすぎて伝わらない!!
音楽担当はあくまでも控えめだったとはいえ、演奏していない時もずっとステージ上にいるし(待機中もなんとなく目が行ってしまった……)、ユージさん(筧さん)の後輩(バンドメンバー)という設定まであって。
筧さんとガッツリ絡む見せ場も作られていて、すべての人に愛がある演出だなぁ、と思いました。
筧さん、ノーナ曲を歌いながら(しかも毎回違う曲を)出てきてくれてたらしいのだけど、アカペラのCHANGIN'は全然聴き取れなかったよ……。
YOU THE ROCK☆パートまで歌ってくれたらしいのに!
筧さんに「ちょっとカッコイイとこ見せてよ!」と無茶振りされるおっけんさん、それに応えて立ち上がってカッコイイソロを決めてくれました。
ダブルキャストで今はステージ上にはいないカシーフくんも話題に出してて、筧さんの愛情があふれまくってましたね。アニキ!!
【まとめ】横浜、楽しかった!
「ノーナのライブじゃないし、観に行くのどうしよっかなー?」と迷っていたけど、こんなレアな体験ができて、ホント、行って良かったです。
いろんな才能がステージ上に集まって、とにかく楽しそうに演じていたのが印象的でした。
ステージ上が楽しそうだと、その雰囲気は客席にも伝わるものですよね。
わたしはそういう“ライブ”が好きなんだ、と再確認しました。
なんだか幸せな気持ちになりました。
終演後、別々にチケットを取ったのに、まさかの隣の席だった友だちと、謝甜記で中華粥を。
「ノーナ2がミュージカルの演奏をするなんて機会はもうないかもよ!」と言ってくれて、わたしの迷いを消してくれた友人に感謝!
そしてこのあとも、お茶しながら、長いおしゃべりに付き合ってくれてありがとう!!
ミュージカルも中華街もおしゃべりも、全部ひっくるめて、横浜、楽しかったです!!