『サニーデイ・サービス 渋谷公会堂コンサート 2015』
2015年3月27日(金)。
かなり久しぶりに、サニーデイ・サービスのライブに行ってきました。
場所は渋谷公会堂。
いつぶりか確認したら、復活のライジングサン以来だったっぽいです、私。。
昨年9月、たまたま目にした先行予約のお知らせで、なんとなくチケットを取った今回。
かなり前に取ったので、他のライブとかぶってしまったり、新アルバムあんまり聴きこんでなかったり……正直、行くまでのテンションはあんまり高くなかったんだけど、行って大正解!!
18:30開演のため、会社を早退した甲斐がありました!!
開場前のロビーには、物販に長蛇の列!!
「ファンが歳とるとグッズ買いまくりの法則」はここでも!?って思ったけど、田中さんのラーメン本を求める人がメインだったのかしら?
アナログも先行販売してたんだね。
18時半ちょっとすぎに3人が登場。
サポートなし、3人だけのステージが始まりました。
セットリスト
- baby blue
- 恋におちたら
- 花咲くころ
- あじさい
- 雨の土曜日
- スロウライダー
- 虹の午後に
- おせんべい
- アビーロードごっこ
- 恋人の部屋
- 夜のメロディ
- シルバー・スター
- NOW
- 星を見たかい?
- 24時のブルース
- ふたつのハート
- 成長するってこと
- 胸いっぱい
- 夢見るようなくちびるに
- 青春狂走曲
- いつもだれかに
- 白い恋人
- 旅の手帖
- 若者たち
EN1
- ここで逢いましょう
EN2
- 東京
- コーヒーと恋愛
セットリストはオフィシャルにアップされてます。
オールタイムベストのようなセットリスト
新しいアルバム『Sunny』のリリースライブかと思いきや、オールタイムベストのような選曲!!
1曲目のbaby blueの1音目を聴いただけで「うぁぁぁ、サニーデイだ!!」っていう圧倒的な空気感。
サニーデイの音を聴くだけで、聴いてた季節が完全にフラッシュバック。
私とサニーデイの出会いは、“最近話題”というスガシカオと一緒にレンタルした『サニーデイ・サービス』。
ちょうどNOWがチョコレートのCMで流れてた頃ですかね?
だからNOWを聴けば、レンタル屋でCDを2枚持ってレジに並んでいる光景を思い出します。
タイ旅行中、旅の手帖を口ずさみながらメモ帳に書きとめた旅日記とか。
baby blueで始まるライジングサンの夜明け前のステージの光景とか。
それぞれの曲に、風景だけじゃなく、温度、湿度、におい、風の強さ、日射し、雨のにおい、夕暮れ、深夜の星空、月影……ありとあらゆるものが立ちあがってくるんです。
サニーデイを聴いて過ごした時間がある人間には、身体のどこかにサニーデイ・スイッチが仕込まれてしまうんでしょうかねぇ。
けどもちろん、昔を懐かしく思い出すだけではなくて。
目の前で音を鳴らす、今まで観たことも聴いたこともない、最新型のサニーデイ。
体温を感じる演奏が、心地よいのに、何かざわざわするような。
なんとも胸いっぱいの時間でした。
私が感じていたことは、ビルボードのライブレポがほとんど書いてくれちゃってる気がします。
お仕事として書かれているライブレポって、あんまり共感できないものも多いんだけど、この方の文章はファンと目線が同じなのかなぁ、と思いました。
私の場合は全然熱心なファンとは言えないので、他のファンに怒られるかもしれませんが……。
ノンストップ24曲!
6曲目スロウライダー前のMC以外、ノンストップの本編。
私が良く観に行く人たちは、長いしゃべりで爆笑を取りつつ、休憩を取っている感じもあるけれど、ノンストップで24曲って、どんな体力してるんだ!?
あと、セッティングを変えたり、ギターやベースを持ちかえたりっていうのもないから、MCでつなぐ必要もないってことですよね。
こんなライブ、観たことない!!
本編唯一のMCも、「北陸新幹線開通おめでとうございます。」っていうね。
むしろ鈍行列車の歌だけどね(笑)。
青春狂走曲のホンモノ感。
ソカバンでもよくやってたけど、このゆったりしたリズムが私にとってはホンモノ。
夜のメロディの始まりの「ねぇ~」一言で、一気にセンチメンタルな気持ちに。
このあたりのアルバムは、音源としては打ち込みが多い印象なので、ライブではまた違った味わいに。
3人だけっていう音数の少なさと相まって、今ここで3人が演奏している生身のままの音が響いてきて、すごくあたたかかったです。
ポワっと心に明かりが灯る感じ。
曽我部さんの歌声
ダブルアンコールのMCで言ってましたが、渋公は解散ライブ以来15年ぶりだそうです。
「昔は、出てくるとお客さんがワーッて立ったじゃない?だから今日は(ジェスチャーで座って座って)ってやろうと思ってたのに……ね。」という曽我部さん。
「立つなオーラが出てたんじゃない?」という田中さん。
そう。お客さんはみんな、ずっと座って聴いていたのです。
けど、決して静かに座っているだけという訳ではなく。
曲が終わった後の、今まで聴いたこともないような拍手の大きさに、みんなそれぞれに熱く聴いているんだなぁ、と実感。
15年の歳を経て、それぞれがそれぞれの楽しみ方で熱くなっているのは、とてもいい感じですね。
ホールで座って聴いたので、改めて曽我部さんの歌声の素晴らしさを思い知りました。
なんて優しいんだ!
なんて切ないんだ!
特に星を見たかい?、出だし一発でやられてしまった!!
ふたつのハートののびやかな歌声と、語りかけるように歌う部分との対比も印象的でした。
3人だけのバンド
サポートなしの、3人だけのライブを観るのは初めてかも!?
だから特に、田中さんのコーラスが印象的でした。
昔もこんなに歌ってたっけ?(サポートメンバーがコーラスしてた印象が強いんだよな。)
曽我部さんに寄り添い、溶け合いつつ主張があって、とてもいい感じでした。
3人がステージの中央にキュッと集まって、時に顔を合わせて演奏している姿に、ものすごく「バンド」感がでていて、グッときてしまった!
それにしても田中さんは、ラーメンいっぱい食べてるのに何であんなに痩せているのか!?
謎だ(笑)。
印象的な照明
照明もとてもステキでした!
春の夜を思わせるような、紫がかった紺色のバックも良かったなぁ。
ふたつのハート、夢見るようなくちびるにでの、心に明かりがともったような、桜が咲き始めたような、ピンクの照明がとても好き。
思わず口元がほころんでしまう。
シルバー・スターの星が瞬く照明もステキでした。
世界観がまさにサニーデイ!!
流れてきた時間が、流れていく時間が、より愛おしく感じるような気がしました。
アンコール
アンコールのここで逢いましょう。
ギターのノイズから始まり、ノイズを残したまま去っていくロックな曲。
「あぁ、大好きだったんだよなぁ、この曲!!」と一瞬で気持ちが沸騰!!
本編は優しい歌声が印象的な曲が多かったけど、青臭くて力任せなこの曲も、サニーデイの魅力のひとつ。
カッコ良かった!!
ダブルアンコール。
田中さん鍵盤と曽我部さんアコギでの東京。
あのアルバムジャケットを思い出して、桜のなかで聴いてるような気持ちに。
コーヒーと恋愛では、田中さん&晴茂くんがカズーを担当する(私にとっては)懐かしいいつものスタイルで。
この曲で終わるの、なんか安心します。
確かにサニーデイは青春ではあるけれど、昔を懐かしむだけではなくて。
演奏がどうとか、テクニックがどうとか、そういうこともどうでもよくて。
今、ここで、この3人じゃなきゃ出せない音を聴きに来た。
ライブってそういうことだよな、それだけで必要十分なんだよな、と強く思いました。
あったかくて、だけどアグレッシブで、ただそこで演奏している姿が、カッコ良かった!!
「晴茂くんが年末くらいに肩の病気になって、なかなか練習もできなくて。今日も心配だったけど、何とかなって良かった。また逢いましょうね。」と語った曽我部さん。
これからもきっと、サニーデイとともに生きていくことになるんだろうな。
それを確認するために。
みんなと分かち合うために。
また逢いましょうね!!